惜しみなく使う

20代〜30代前半、よく買い物をした。

人生の買い物をすべてし尽くしたかの如く。とは、言い過ぎか(^_^;)

とにかく、学生生活を終え、自分で稼ぎ

自由に使えるお金が増えたことで 消費活動が一気に増えた。

たくさん買った。

 

私の実家は物が多い。引っ越し屋さんがドン引きするくらい。

そんな実家で育ち、30歳で巣立ち。

「実家の様な生活ではなく、もっと素敵に過ごすんだ!」

期待と夢に胸ふくらませ 始めた遅めの一人暮らし。

 

人は、理想の生活・憧れの生活を夢見て モノを手に入れたり買ったりする。

私も せっせと稼いでは買った。自分の生活を素敵にするために。

 

だけどだけど、買っても買っても満たされず、どんどん増えていく 物と心のモヤモヤ。

ごちゃごちゃとして落ち着かず、それを解消するために また買って・・・

そのうちに、パートナーと共に暮らす事になり部屋のサイズと物の量がアップ。

新しい生活は楽しくて、コレを買い足せば素敵な生活になるはず、

あれ、コレもかな・・・買おう!の繰り返し。

そして、サイズアップした部屋はパンパン。なんか 心がモヤモヤ・・・

つまり、部屋も心もキャパオーバーしてしまって、全く理想の生活ではなくなってしまった。

 

それでもしばらくはその事に気づかず、買い続ける。

とにかく自分の生活を素敵にしたくって、

そのために何を手に入れたら良いのか探すためによく買物に出掛けたり

本や雑誌を漁った。何を買ったら良いのか参考にするために。

 

だけどそのうちに、だんだんと「買う」よりも本や雑誌に載っている人達の

生活・人生そのものに興味が湧いてきた。

そして自分にとって当たり前だった「買う」たし算生活より ひき算生活に魅力を感じ始め、

それに通ずる本を手あたり次第読み漁るようになった。(この時期は図書館に通いまくった)

 

私もやってみよう!

恐る恐る始めた ひき算生活・・・ひとつ、またひとつ 手放した。

 

・・・コレだ。求めていた感覚はコレだ!と感じた。

物で埋め尽くされた実家で感じていた違和感(素敵じゃない感じ)、

自分の部屋で感じ始めていたモヤモヤの理由が分かった。

手放すことで開放された!

 

どんどん手放した。気持ちはどんどん軽くなる。

今までの生活はなんだったのか。

もちろん今までの自分も愛おしい。なにせ一生懸命だったから(^_^;)(買う事に)

 

かくして、自分には たし算生活より ひき算生活の方が合うのだと知り、

本格的に物の手放しが始まった。

リサイクルセンターや古着屋さんへの持込み、フリーマーケット、

ヤフーオークション、寄付、家の前に並べて「ご自由にお持ちください」など。

そして、それらが難しいものは 思い切ってゴミ袋へ!

 

数年かけて、だいぶ物数は減らすことができたけど、やっぱり手放し難い物もあり悩んだ。

理想の生活を夢見てとっておいた物だから・・・

あれ?だったら、思い切り使い倒すせば良いのでは!?

 

「とっておく」を手放した。

 

もう自分にとって 魅力的ではなく、必要ないなら手放す。

手放し難いのなら使い倒す。

こんな簡単なことに至るのにも時間がかかった。

今でも まだまだ トライ&エラーの繰り返しだけど、

所有物の数は1/10くらいになったから、気持ちは以前より軽い。

 

 

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